これから定期的に、いわゆるルーチン化してブログを書いて行くことになりました。
   四季折々に書く「みつば」は院内向け、「病院だより」は市民向けということですが、このブログは、日本語の分かる人向け、ということになるのでしょうか。
    ただ、一般的なことも書きたいと思いますが、専門-オタクの面に走ることも考えて、最初の所に「一般向け」、「専門-オタク向け」と書いてから、話を始めようと思っています。最初はやはり、一般向けでしょうね。


【一般向け】
第1段:「大学病」という病気について
    以前、私が大学に勤務していた時、患者さんが沢山来院され、そのために、何か自分達が偉いような気になっていたのでしたが、それが事実と違うことに気づいたのは大学を辞める時でした。10年以上も外来に来られている患者さんの一言です。私は「退職するためにもうここでは診察が出来ない」といった時、直ちに彼は「先生の代わりに、この科で一番良い先生を紹介して下さい」といったのです。私は、「先生が行くところについて行きます」までは望まないとしても、「先生がいないと困ります」程度は言ってもらえるものと期待していたのですが、彼は自分のことを先に考えられたようです。彼も主治医が代わることで、ショックがあるのでしょうが、私もショックを受けました。別れとはこういうものなのでしょう。 
   病気になった場合、最初に選択するのは大学病院です。最近は、有名な総合病院も選択肢の一つにはいるのかもしれません。ネットで検索し、専門家のいる病院は何でも分かる安心の場所と言うことになっています。まずは、患者さんは大きい建物、高価な検査機械、多くの医師や看護師、そして沢山の患者さん-仲間ですね-がいることで安心するのです。診療所に行ったら、自分以外は誰もいなかった。これでは、不安ですね。私の診察日も、患者さんが一杯いて、予約時間に診察できない時は、何となく不満の態度で入ってこられますが、予約時間通りに進み、待合室に誰もいないと、患者さんは不安そうに入ってこられます。綺麗な建物でかつ行列の出来る店は、やはり安心で美味しいのですネ(自分の舌より、評判ですネ)。
 実は、この気持ちは患者さんだけではありません。働く職員も同じなのです。東京の病院より、私たちの病院の方が給料はよいのです(多分)。しかし、私たちの地域には専門職が都会からはきません。余程田舎と思われているのでしょうか。新幹線も止まるし、近くは高速道路が走り、インターもあるのですが。通勤まで、2時間以上かかり、それも満員電車であっても、働く場所が綺麗で、人が一杯いる方が良いんですね。
   と、いうことで、「大学病」は、別名「安心病」なのです。患者さんだけでなく、職員にとっても3K(綺麗で高層の建物、高価で最新の医療機器/高度医療、顧客・個人の満足度が高い)は大きな要素のようです。
   当院は、先の2つは難しいのですが、何とか最後のK(満足度)を得られるように努力してゆきたいと思っています。

【病院エントランスホール】
 精神科診察風景
【精神科診察室】